Contact Us

Use the form on the right to contact us.

 

         

123 Street Avenue, City Town, 99999

(123) 555-6789

email@address.com

 

You can set your address, phone number, email and site description in the settings tab.
Link to read me page with more information.

ブログ

もったいない “mottainai”

Keiko Tassill

よく、通訳をしている時に「あー、この英語の単語では十分、深い意味や、意図が表現されていないのでは。」といらいらすることがあります。その一つとして「もったいない」という言葉があります。限られた時間で単純に訳そうとすると’wasteful’(無駄の多い、浪費的な)となってしまうのですが、実は仏教用語である「勿体」の否定型は物の本来あるべき姿がなくなるのを惜しみ、嘆く気持ちを表しているので、「物の価値を十分に生かせず無駄になっている」というのがより正確でしょう。 環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、ワンガリ・マータイさん(写真)が2005年に日本に来日した時に “mottainai”という言葉に感銘をうけ、環境を守る世界共通語として提唱しました。環境3R (Reduce:ゴミ削減 Reuse:再利用 Recycle:再資源化+Respect:敬意の念=「もったいない」。また、彼女は日本の風呂敷がとっても気に入り「モッタイナイ精神の象徴」としているそうです。

お客様が和風デザインのきれいな風呂敷をよくおみやげに持って来られますが、なんと、スカーフやテーブルクロス、壁掛けタペストリーなど日本人が考えないような使い方でアメリカ人は毎日風呂敷をエンジョイしてくれています。 もったいないと思ってしまい込んでいる私とは大違いです。また、とってもきれいなデザインや「海苔」「煎餅」などの文字入りの日本のお菓子などの缶や箱は捨てるのがもったいないのでたくさんしまい込んであった物をガレージセールで25セント〜3ドルくらいの値段を付けたらあっという間に売れてしまいました。


また、ここ数年、やっと消費大国のアメリカもエコ精神にめざめて来たようで最近ではほとんどの大手のスーパーやお店でエコバッグが1〜3ドル程度で売られています。昔は日本では主婦はお買い物かごを下げて買い物に行っていました。このエコバッグもお買い物袋と考えれば別に新しいコンセプトではありません。我が家には展示会でもらったバッグが山ほどあるので時々それを買い物時に利用しています。また「ドギーバッグ」というシステムもアメリカでは昔からある習慣でレストランで食事の残り(あんなに量が多ければ絶対に食べきれるはずがない!)を「犬に食べさせるんだ」という言い訳のもとで持ち帰って、夜食に食べたり、翌日のランチにしたりするので食べ物を無駄にしないことになります。ただ、よーく考えてみるとちょこっとした残り物を大きな容器に入れてくれるので反対に(容器の)資源の無駄なのではとも思います。


先日、アメリカのコスメブランドMACの使い済みの容器がたくさん集まっていたので、デパートの売り場に持っていったらなんと6つリサイクルすると1本の口紅($15)がもらえるシステムがあって、口紅を2本もらってとっても得な気持ちになったと同時に環境にいいことをしたような気分になりました。(残念ながらアメリカ国内のみのプログラムのようです。) 

ここ数年、多くの企業が消費大国のアメリカ人にエコ精神を植え付けるため、また企業イメージを上げるために様々なプログラムを展開しているのが目立ちます。残念ながら今はまだ企業レベルだけにとどまっている物が多いのですが、昨年のガソリン価格の大幅な値上げによってハイブリッド車や小型車に真剣に目を向け始めたアメリカ人、またこの不況で今までのような消費の仕方では生活していけない人が増えているので「もったいない」精神が浸透しやすい環境になっているのではないかと思います。